LINEで予約 Instagram

発熱外来を受診される方は▷こちら

当院では頭痛専門医による診療を行っております。
片頭痛に関して現在は、新しい予防薬・治療薬が増え、適切な治療で頭痛が軽減することが多くなってきています。
一緒に頭痛のない生活を体験してみませんか。片頭痛かどうかわからない頭痛も、ぜひご相談下さい。

片頭痛は治療できる疾患です

片頭痛について

片頭痛は決して珍しい病気ではありません。
日本では約8~10%の人が片頭痛をもっていると言われています。つまり、学校や職場でも周りに必ずいるくらい身近な頭痛です。
片頭痛は20~40代に多いですが、子供でも起こることがあります。小学生で3~5%、中学生では約5~10%の子供達に片頭痛があるとされます。

片頭痛の重症度

世界保健機関の「疾患の障害度」で、片頭痛の重い発作時の日常生活への障害度は、四肢麻痺の重い状態と同等レベルの障害と評価されています。
実は片頭痛をもつ人の多くは、「体質だから仕方ない」、「市販薬で我慢しよう」と思っており、医療機関を受診してない人が多いと言われています。しかし現在は、予防薬・新しい治療薬などが増えており、適切な治療でかなり楽になることが多い頭痛です。

片頭痛が起こる仕組み

何らかの誘因で三叉神経(痛みを感知する神経)が刺激されると、脳を包む膜(硬膜)まわりでCGRP(神経ペプチドの一種)という物質が放出されます。CGRPは血管をひろげ、炎症を起こし、痛み神経が過敏になります。
敏感になった痛み信号は、脳幹→視床→大脳へ伝わり、ズキズキする痛み、吐き気、光や音に弱い感じがでます。
頭痛発作の数時間から数日前に、生あくび、悪心、ひどい肩こり、眠気、食欲変化などが起こることがあります(予兆)。
また、頭痛発作の前に、視界に万華鏡のようなギザギザした光が両目で見え、だんだん広がり20~30分ほどで消える閃輝暗点という症状が起こることがあります(前兆)。

よくある誘因

・ストレスや睡眠の乱れ
睡眠不足、寝だめ、ストレス負荷は頭痛発作の誘因となります。
・感覚刺激
まぶしい光、強い音、においは三叉神経系を活性化させます。
・ホルモン変動
月経や妊娠の終了は強力な誘因で短期的に発作の頻度を高めます。また、経口避妊薬を内服されている方も注意が必要です。
・食事関連
アルコール、カフェイン、食事制限、脱水が誘因となることがあります。また、肥満も頭痛の要因のひとつとされます。

これらの誘因が反復することで、些細な刺激でも頭痛発作がおこるようになります。

片頭痛の進行・アロディニア(異痛症)

炎症物質やCGRPで、ふだん反応しない弱い刺激にも反応しやすくなります。
結果として、「動く・咳などで痛みが悪化」します。CGRPは、この過敏な状態を維持し、悪循環をきたします。
すると、脳幹や脊髄など“痛みを中継する神経回路”が学習的に敏感になります。
刺激の入力が同じでも、痛みとして増幅され、刺激が去っても過敏な状態が続くことがあります。それが、アロデニアです。本来痛くない軽い刺激(髪が顔に触れる、結んでいる状態、めがねが顔に触れるなど)が痛く感じることです。
片頭痛の患者さんでは、頭痛の発作中や発作がないときにもみられます。

薬剤使用過多による頭痛

急性期薬(市販の痛み止め、鎮痛複合薬、ロキソニンやトリプタン製剤)を月に10回以上使用すると、頭痛頻度が増え、片頭痛の慢性化を進行させます。これは、筋緊張型頭痛でも起こることがあります。

鎮痛薬(痛い時に頓服する薬)を内服する日数が多い方は、注意が必要です。

予防することが大切です

発作日数が多い人や、頭痛による生活への支障がある方は、予防療法で月間片頭痛日数を減らしたり、頭痛の程度を軽くすることができます。また、頭痛の原因となる生活習慣を見極め、避けることも予防につながります。
頭痛の日が減ることで発作時の痛み止めを減らしていくこともできます(薬剤使用過多による頭痛を取り除く)。
新しい予防薬CGRP/CGRP受容体を標的とする注射や飲み薬は有効性と安全性が高く、当院でもご提案可能です。
(主な薬剤:エムガルディ、アジョビ、アイモビーグ、ナルティーク、アクイプタ)

従来の予防内服薬や、発作薬(トリプタン製剤・レイボー)もご提案することがあります。

頭痛のない日を送ってみませんか?

気になる症状があり、月4日以上の頭痛が続く場合は、早めの受診をおすすめします。
適切な頭痛発作時のお薬の使い分け、予防療法で、痛みの頻度・強さを軽減させ、生活の質を改善することができます。
片頭痛ではない頭痛ももちろんご相談ください。

片頭痛・めまいに関するよくある質問

発作が起きたとき(急性期治療)

Q片頭痛発作のとき、まずどうすればいいですか?
A

できるだけ早く治療を開始することが大切です。暗く静かな場所で休み、水分をとり、痛み止めは「我慢しすぎる前」に使うと効きやすくなります。

また、飲酒をしたり湯船につかると悪化することがありますので、発作中は控えます。

Q片頭痛のお薬(急性期治療)にはどんな種類がありますか?
A

主に以下があります(症状の強さ・体質・持病に合わせて選びます)。

  • 鎮痛薬:NSAIDs(例:イブプロフェン、ナプロキセン等)やアセトアミノフェン
  • トリプタン製剤:片頭痛に特化した薬で、効かない場合でも別のトリプタンで効くことがあります
  • ゲパント(ナルティーク):片頭痛の原因物質となるタンパク「CGRP」をブロックします
  • ジタン(レイボー):寝る前や、夜間に痛くなりやすい方向けです
  • 吐き気が強い場合:内服以外のトリプタン(点鼻・注射など)や吐き気止めを併用することがあります

予防・慢性化について

Q毎回薬が必要です。予防の薬は使った方がいいですか?
A

月4日以上の片頭痛がある場合、または月2日以上でも生活に大きな支障があり、急性期治療が十分効かない場合は、予防療法を検討します。

Q予防療法(毎日・定期的に使う薬)には何がありますか?
A

代表的には以下があり、効果・副作用・費用・妊娠可能性・併存症に合わせて選びます。

  • 比較的費用が抑えられる経口薬(例:β遮断薬、バルプロ酸、ロメリジン、アミトリプチリン等)
  • CGRP関連薬(内服のゲパント、注射の抗CGRP抗体など):経口薬が合わない・不十分な場合の選択肢になります
Q片頭痛が「慢性」かどうかは、どう決まりますか?
A

目安として、慢性片頭痛は「1か月に15日以上」頭痛がある状態を指します。それ未満は「反復性(エピソード)片頭痛」とされます。

Q生活でできる予防はありますか?
A

片頭痛は生活習慣の影響を受けやすいです。次のような点を意識してみてください。

  • 水分摂取、規則正しい食事、十分で一定の睡眠(睡眠不足・寝だめは頭痛の原因になります)
  • 定期的な運動(有酸素運動がおすすめ)
  • ストレス対策
  • 誘因(寝不足、空腹、飲酒、月経、天候など)を把握する
Q片頭痛は治りますか?
A

体質的な要素もありますが、急性期治療を最適化し、必要なら予防療法と生活面の対策を組み合わせることで、発作回数や生活への支障を大きく減らせることが多いです。

めまい(前庭性片頭痛)について

Q「前庭性片頭痛」って何ですか?
A

片頭痛と関連して、繰り返すめまい発作が起きる状態です。めまいは、体が回る感じ(回転性)だけでなく、ふわふわ・ゆらゆら・歩きにくい感じなど、いろいろな形があります。

Qめまいはどのくらい続きますか?
A

多くは5分〜72時間の範囲で続きます(もっと短いもの・長いものもあります)。

Qどんなきっかけ(誘因)で起こりやすいですか?
A

よくある誘因には以下のようなものがあります。

  • 睡眠不足
  • ストレス
  • 空腹(食事を抜く)
  • アルコールやカフェイン
  • 強い光・におい・騒音
  • スマホのスクロール、PC画面、スーパーの陳列などの“視覚刺激”
Q治療は何をしますか?(大きく分けて)
A

多くの場合、次を組み合わせます。

  1. 生活の整え(誘因を減らす):睡眠、食事の間隔、ストレス対策など
  2. 発作時の対処(頓服):頭痛の薬、吐き気の薬などを症状に合わせて使います(使いすぎは逆効果になることがあります)
  3. 予防治療(発作を減らす):片頭痛の予防薬を体質・持病に合わせて選びます
  4. めまいリハビリ:体を慣らす訓練で、ふらつきや生活の困りごとを減らすことがあります
!すぐ救急受診した方がいい「危険なめまい」のサインは?
A

次がある場合は、前庭性片頭痛だけでなく脳卒中などの可能性もあるため、すぐに受診を検討してください。

  • これまでにない突然の激しい症状
  • ろれつが回らない、顔や手足のしびれ・麻痺、二重に見える、飲み込みにくい
  • まっすぐ歩けないほどの強いふらつきが急に出た
  • 意識がぼんやりする、強い頭痛が急に始まった

肩こりについて

Q肩こりは片頭痛と関係がありますか?
A

関係があることは多いです。片頭痛のある人は、首〜肩のこり・痛みを一緒に感じやすく、片頭痛の「症状の一部」として出ることも、片頭痛を起こしやすくする「きっかけ(誘因)」になることもあります。

肩こりが強い緊張型頭痛の方も、片頭痛の要素が混在していることが非常に多いと考えてよいです。

Qなぜ片頭痛で肩こりが起きるのですか?
A

はっきり1つに決まるわけではありませんが、首・肩の痛みの信号と、頭の痛みの信号が脳の近い場所で合流して影響し合うことが関係していると考えられています(首の筋肉のこりが強いと、頭痛に関わる神経の仕組みが刺激されやすい、というイメージです)。

同じような仕組みで、顎や歯の痛みも片頭痛の方に多く起こると考えられます。

Q家でできる「肩こり対策」で片頭痛にも良い可能性があることは?
A

次のような「体の土台」を整えることは、肩こりにも片頭痛にも役立つことがあります。

  • 軽い有酸素運動(例:息が少し弾む程度のウォーキング)を週2〜3回
  • 首・肩まわりの筋トレを無理のない範囲で続ける
  • 長時間の同じ姿勢を避け、こまめに休憩する

※ 運動やリハビリは「やりすぎ」で悪化する方もいるため、症状に合わせた調整が必要です。